vol.127
ボージョレ・ヌーヴォー解禁
今年も解禁日である11月16日が迫り、コンビニやワインショップなどで広告が目立つようになってきました。24時間営業のスーパーマーケットやレストラン、バーなどでは、イベントも兼ねて当日午前0時になった瞬間に販売を始めるところも多いようです。毎年のことですが、「今年のボージョレは気候に恵まれ例年以上の出来」と必ず書かれています (笑)

 さて、その解禁日ですが、どうして11月の第3木曜日か、
ご存知でしょうか?
 ワインは熟成を必要とします。ヌーヴォーがよく売れるということで
各メーカーがどこよりもいち早くヌーヴォーを出荷しようと
競い合っていたものがだんだんエスカレートしていき、
ついにはワインとして十分出来上がっていないにもかかわらず
ワインとして出回るようになってしまったのです。

そこで、フランス政府は解禁日を定めるようになりました。
1967年の時点では11月15日と定めていました。しばらくそのまま施行されていましたが、
11月15日が土曜日や日曜日に当たると流通も販売もストップしてしまうという理由であっさり改正。
1985年あらためて、11月の第三木曜日と定められました。
 「ボージョレ」とはフランスのブルゴーニュにある
地域で、テキーラ同様、原産地の名前がそのまま付いています。「ヌーヴォー」は「新しい」という意味の形容詞。つまり、「ボージョレ・ヌーヴォー」とは「ボージョレの新酒」を指しています。
「ボージョレ」と名乗ることのできるワインは、ボジョレ地方のみ栽培が許されているガレイ種を使用した赤ワイン、白ワインであればシャルドネ種を使用したものに限られ、これらは法律によって定められています。白ワインは全体の生産量の1%にすぎません。ボージョレ地区で生産される赤ワインの70%がヌーヴォーであるといわれています。
ボージョレ・ヌーヴォーはかつて片田舎の地酒に過ぎませんでした。
それを日本に知らしめたのはジョルジュ・デュブッフ氏です。 彼はビジネスの手腕を発揮しボージョレ・ヌーヴォーの魅力を引き上げ、話題性という付加価値を演出し、大成功しました。現地においては高値で多量(輸出量の半分を日本が占める)に買い漁る日本のやり方に対する批判があるようです。
なお、現地での価格は日本の数分の一という安値らしいです。
 日本でも、「ひやおろし」という春先に仕込んだ新酒を加熱処理しないまま
秋口に出荷する清酒に、解禁日を設けようという動きがあります。
ボージョレ・ヌーヴォーのように本国よりも外国で、
「ひやおろし」が盛り上がる可能性もありますよね。
松鹿 大平

全国お茶まつり
 突然ですが皆さんお茶の産地といえば、どこを思い浮かべられるでしょうか?たいていの方なら、
日本最大の産地、40パーセントを誇る静岡、お隣で高級茶の産地として名声高い宇治くらいは
思いつき、お茶好きの人なら玉露の生産量全国一位八女茶の福岡、狭山火入れといわれる独特の火入れが特徴の狭山茶なども出てくるのではないでしょうか。
ルーツは約1200年前に最澄が唐から持ち帰った種を比叡山麓にまいたのが日本茶の始まりとして、
日本茶発祥の地とされている歴史ある産地なのです。現在も京阪坂本駅東隣に小さいながらも日吉茶園として現存しており毎年日吉神社に奉納もされています。
 そして我が滋賀県も生産量は全国13位ながら、
土山茶(甲賀市)という茶どころがあり、9月下旬から開催されているのが、
「第61回全国お茶まつり滋賀大会」。
毎年全国の産地から最高級の茶が勢ぞろいし、お茶ナンバーワンを決める大会です。
11月25日にあいこうか市民ホールで大会式典があり、近くの市役所駐車場で茶や加工品の販売のほか、優秀茶の試飲会などが計画されており、お茶好きの方にはたまらないイベントです。全国各地の銘茶が飲める機会など、めったにあるものではないので、当日が楽しみですね。

 最近は気軽に飲めることもあり、ペットボトルの日本茶の販売が好調だそうです。
ペットボトルが悪いとは言いませんが、急須で淹れたお茶のさわやかな緑色、
ほのかな甘み&旨みは急須からでしか出せないのではないでしょうか。

こんなイベントを機にたくさんの方にお茶の魅力が伝わればいいなと思っています。

松本 英夫


火傷しないのはなぜ?

 つい先日友人とサウナに行ってきました。何気ないことなのですが、一つ疑問が生まれました。
サウナは汗も沢山出るし、体の新陳代謝が良くなり良いものです。しかし、100度の乾式サウナはめちゃくちゃ暑いけど中に居られますよね?でも、100度の熱湯に手を入れれば絶対に火傷します。
では何故サウナは火傷しないのでしょう。

 サウナの100度というのは空気の温度ですが乾燥しているため火傷しません。
熱湯の100度というのは水の温度ですよね?ここがポイントです。
 熱伝導率というのがありますが、そのまま熱の伝わり方を表す数値のことです。水と空気を比べると、水は空気の約25倍も熱を伝えやすいのです。
だから、熱湯の中に手を入れた瞬間に手の表面も100度になってしまって
ヤケドするのです。

それに対して、100度の乾燥した空気の中に手や体をいれても、
手や体の温度は大してあがらないのです。
ちなみに水だと80度でヤケドしますが、空気だと数百度でも平気です。
ちなみに、いくらヤケドしないといっても、ネックレスなどの貴金属をつけたままサウナに入ると、
貴金属の温度が100度近くまで上昇して、ヤケドすることがあるので、気をつけないといけません。

                                       藤居 宗一郎


芸術の秋
 秋も深まり、自然界の秋の芸術といえば、色とりどり目を
楽しませてくれる紅葉ではないでしょうか。
 落葉樹は、秋から冬にかけては葉から水分の蒸発を防ぐ為に
葉と幹の間の水分や養分の流れを妨げることにより、成長を止め、
休眠することで生命を維持しています。
 その為に、葉は枯れてしまい、蓄積されていた酵素の働きで
赤や黄の色素を育成して色付きます。
酵素が作る色素の違いにより、木によってどの色素が多いかはほぼ決まっています。
花が赤白に染め分けて咲く種類のサツキの場合は紅葉する際も赤と黄の染め分けがくっきり出るそうです。
銀杏やもみじなどそれぞれキレイですが、なかでも私は花水木が好きです。
色づく葉もさながら、真っ赤に熟す実が可愛くキレイに思います。
肌寒くなり、室内にこもりがちになりますが、
外に出掛けて自然の芸術を楽しんで下さい。

                                        森田 恵美