vol.170

「足を組む」しぐさのメカニズムを解明!
 オフィスのイスや電車のシートに座るとついしてしまう「足を組む」しぐさ。
無意識にやってしまう人も多いのではないでしょうか?
 なぜ人は足を組むのでしょうか。
 それは、体の重心を調整するためというのが主な理由です。
人は座っているとき、脊椎とお尻の座骨でバランスを取りますが、ほとんどのイスは座る人の座高や足の長さ、お尻の大きさなどの様々な条件にぴったり合うよう作られていないため、バランスが崩れてしまいます。
 例えばイスが合わずに座りが浅く前かがみになると、脊椎の腰の部分は後ろ側に弓なりになって重心が後方にいくため、足を組むことで前方に重心をシフトさせて偏りを解消したくなります。ほかにも何かを片方の手に持つなどして上半身の姿勢が左右非対称になり、片方のお尻に重みが集中した場合、そのお尻側の足を組むことにより、均衡した状態に持っていこうとするようです。
 実際に右足を上にして組んで試してみると、右のお尻が少し浮き、重心が左のお尻の方に移っているのを実感できました。 ということは、積極的に足を組んでバランスを取った方がいいのでしょうか?
 人は座っていると脊椎の一部分である腰椎の間の椎間板に、体重の四倍の圧力が加わります。
 これは立っているときの実に約1.4倍です。この圧力を一部分に集中させないように重心のバランスを取っているのです。
 本当は足を組まなくても、人の脊椎は前から見たときに真っ直ぐ、横から見たときに前後に弓なりに曲がったS字形のときに最も安定し、圧力を脊椎や座骨など全体に分散させられるため、負担を軽くすることができます。また、座るときは両足を床に着け、お尻を後ろに引いて腰骨を前に、下腹に力を入れて肩の力を抜く、立腰という姿勢が理想です。
 つまり足を組むのはバランスを保つための応急処置ってことのようです。その場しのぎでごまかし続けていると体によくないこともあるはずです…。
 極端な例では、足を組み続けるとひざの外側にある腓骨(ひこつ)という骨の下を走る神経が圧迫されて麻痺する腓骨神経麻痺や、いつも同じ側の足を組む癖がつくと脊椎が左右どちらかに曲がる側彎症(そくわんしょう)になる可能性もあります。無意識にやっている人は注意が必要です。
 ただし、ある著名な先生がおっしゃるには、「足を組むのはリラックスしているときだけなので、よいアイデアが浮かびやすいなどメンタル面でプラスの効果もある」そうです。とはいえ負担がかかることは確かなのでまずは座り方を正して、足を組むのはほどほどにしていきましょう。
大村 朋子
 


 チキンの美味しい脚

 車で移動していると、ふと目に飛び込んでくるカーネルおじさんの人形。その瞬間、頭の中はジューシーなチキンのことでいっぱいになりお腹がぐぅー、と鳴る。そんな経験は僕だけではないと思います。
 このチキンだが、なんと左脚の方がおいしいという話を耳にしました。左脚の方がよく発達していてしまった味になるそうです。

 その理由はまず、ニワトリが寝る姿勢にあります。ニワトリは普通、左脚を上げて右脚で立って寝るそうで、寝るときだけでなく起きているときも片脚で立っていることがよくあるそうです。片脚で立つ鳥といえばフラミンゴが有名ですが、鳥類は多くが片脚で立つ習性を持っています。ニワトリは右脚で立つというわけですが、そうすると右脚に体重がかかり、上げている左脚に較べて肉が硬くなってしまうのです。

 もう一つの理由はニワトリが運動するときに左脚をよく使うということ。運動するから筋肉が発達し、やわらかくジューシーな風味になる。つまりニワトリは大半が左脚利きなんだそうです。
 そういうわけで、フライドチキンを買うときは左足を買うのをオススメします。
ただし、見分けられたらの話ですが。

山本 拓也

 体内時計のしくみ
 春のポカポカ陽気のせいか、つい昼寝をしすぎて夜寝にくかった経験をしました。それは体内時計をズラしてしまったためのようです。
 体内時計のズレの原因に、休日の寝溜めや1時間以上の昼寝、朝の二度寝が考えられるようです。旅行など短期間の体内の時差ボケは、あまり体に影響はありませんが、長期間の不規則な生活は、体内時計を狂わし私達の心と体に悪影響を及ぼします。
 例えば、脳の指示系統が混乱する事によって脳機能が低下し感情の起伏が激しくなったり、記憶力や集中力を低下させたりします。また、必要なホルモンが分泌されないために生じる肥満もつながりがあると言われています。
 しかし、私達の体は不思議と時間修正が出来る様に元々できているようです。1日は24時間ですが、内臓の消化機能や体温の上昇など色々な面で25時間サイクルで動いているようです。ですが、このズレを、睡眠と朝日を浴びることにより、調整しながら生活しているようです。
 なので、乱れた体内時計を正常に戻すには、朝は、窓からでも決まった時間に太陽の光を浴びるようにしましょう。そして朝食を決まった時間に摂りましょう。そして昼は、外に出る機会をつくりましょう。
昼間に明るい所で、散歩したり人と挨拶することによって、夜メラトニンの生成が多く促されるだけでなく社会のリズムを感じることで、24時間の周期を感じやすくなるだけでなく、寝付きも良くなり正常化しやすくなります。そして、内臓を休ませるためにも夜寝る前に食事をしない様にしましょう。こう考えると規則正しい生活が体内時計を正常に働かせるコツなのかもしれませんね。
藤居 宗一郎

 肉食動物と草食動物
 最近、ある、動物番組で肉食動物と草食動物について放送されていたのですが、ウサギなど狩られやすい動物は敵のわずかな気配にも敏感で、弱者は、本能的に相手が敵かどうか、肉食動物かどうかを咄嗟に見分けることができるそうです。
 肉食動物と草食動物の顔を正面から見てみると面白いことに気付かされます。
 捕食者は目が顔の前面についており、被捕食者は顔の横に位置しているのです。
 これは肉食動物の場合、獲物の位置を把握し遠い所まで、見渡せるようにするためだそうで、両眼の間が狭いと相手までの距離を、はかりやすくなるのです。
 一方弱者の草食動物は広い範囲を見渡せるように、目が横についています。ゼブラなどは真後ろ以外ほとんどの角度を見ることができるといいます。
 つまり目の位置を見れば弱者か強者か分かるというわけです。
 我々、人間はというと、思い切り前方を向いています。やはり人間サマは強いということでしょうか。
松岡 裕介